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この本について
2012年に発行された、古賀史健(こが ふみたけ)さんの本です。
古賀さんは、出版社勤務を経て、1998年にフリーライターとして独立しました。著書に、2015年ビジネス書ランキング1位を獲得した『嫌われる勇気』(岸見一郎さんと共著)などがあります。
当書『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は「話せるのに書けない!」を解消することを目標に書かれています。様々な現場でインタビューをし、実際に「話し言葉」を「書き言葉」に変換してきた古賀さんだからこそ知るノウハウが余すところなく詰まっています。
「どうして我々は話せるのに書けないか?」という問いに、古賀さんは
「書こうとするから書けないのだ。書くことをやめて翻訳するのである。頭の中の“グルグル”を伝わる言葉に翻訳したものが文章なのである。」と答えています。
文章の「導入」は映画の予告編を参考に
ブログのような日常文で大切なのは「導入」だ、と述べられています。文章の最初がつまらないと最後まで読んでもらえないからです。
そこで、どのように「導入」を書けば良いのか、映画の「予告編」の手法に当てはめて説明されています。
なぜ「予告編」に当てはめるのかというと、「予告編」(文章でいう「導入」)は観客(読者)を劇場(本文)へと誘導し、椅子に座ってもらう役割を果たしているからです。
以下が、当書に書かれていた「予告編」の基本3パターンです。
- インパクト優先型━━冒頭におっと興味を惹くような結論を持ってくる。
- 寸止め型━━ホラー映画でよく使われる、見せないという手法。周辺情報を盛り込み、核心部分は観客に想像させる。
- Q&A型━━寸止め型とは逆。「導入」だけで問いと答えが揃っている。
当書でいうと、ガイダンスの部分に「Q.どうして我々は話せるのに書けないか?」→「A.書こうとするから書けないのだ。書くことをやめて翻訳するのである。」と、問いと答えが揃っていますので、恐らくQ&A型に当てはまるのではないかと思います。
問題は何を書くのかではなく、何を書かないか
もう一つ印象に残ったのは、文章を書く時に、素材も題材も探す必要はない、と語られている部分です。
書くべきものが見当たらないのは、素材が足りないのではなく、元ネタが多すぎるせいで見えなくなっているのだ、と述べられています。
発想を引き算にして、何を書かないかを考え、これだけは欠かせないと思った事のみを書いていくと、読者にも筆者の人間が伝わりやすくなるそうです。
これは私にとって、なかなか耳の痛い話です。
何かを人に伝えたい!という想いが強いほど、余計な情報を盛り込んでしまうことが多いです。その結果、自分でも何が言いたいのかよく分からない、、、という事がしょっちゅうあります。
なので、そのような時こそ落ち着いて、引き算で考え、大切な情報のみを確実に伝える事に注力していきたいと思います。
おわりに
私は、頭の中の“グルグル”を言葉に翻訳するのに、かなり時間が掛かります。
なので学生時代、「本日の授業で学んだ事・感想を書きましょう」的な時間が苦痛で仕方ありませんでした。
他のクラスメイトたちは、さっさと書き終えてしまい、教室を出て休み時間に入るのですが、私はいつも最後の一人になってしまい、焦るわ恥ずかしいわで余計に書けなくなりました。
それに比べると、ブログは自分のペースで書き進められるのが良いですね。
いずれにしても、頭の中の“グルグル”を翻訳するのは骨の折れる作業ですが、言葉に変換できた後は凄くスッキリします。なので、ブログは可能な限り続けていきたいです。
これから、書くのに行き詰まったときは、今回学んだ「映画の予告編を参考に」と「引き算で考える」を意識したいと思います。